大腸内視鏡検査(大腸カメラ)について
大腸ポリープや大腸がんは、早期発見により内視鏡治療で治癒できる病気です。現在、男性のがん死亡原因の3位、女性では1位が大腸がんとなっています。また、男性の11人に1人、女性の13人に1人が一生のうちに大腸がんと診断されています。当院では患者様にとって苦痛がなく、安心して受けられる大腸内視鏡検査を行っております。ぜひ一度、当院の内視鏡検査を受けていただき、患者様の不安がなくなり、内視鏡検査をして良かったと思っていただければと幸いです。
このような症状がある方は大腸内視鏡検査を受けましょう
- 排便時に出血がみられたり、便に血が混ざっている
- 検診で便潜血反応が陽性となった
- 腹痛や張りなど、おなかの調子がわるい
- 便秘・下痢、便が細いなど、便通の異常がある
- 貧血を指摘された
- 急に体重が減った
- 過去に大腸ポリープを指摘されたことがある
- 40歳以上の方で大腸内視鏡検査を受けたことがない
- 血縁者に大腸がんになられたことがある
痛くない当院の大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査は、一般的に「辛い、痛い、こわい」というイメージがあり、患者様にとってハードルが高い検査の一つです。今まで大学病院や総合病院で、数多くの大腸内視鏡検査・治療を行ってきましたが、どうしたら患者様の不安を無くし、一人でも多くの方に安心して内視鏡検査を受けてもらえるかを日々考えていました。
初めて大腸内視鏡検査を受けられる方はもちろん、他院での内視鏡検査にて痛みが強かった方、腸の癒着などで検査を最後まで受けられなかった方も、お気軽にご相談いただければと思います。
当院の大腸内視鏡検査の特徴
~おひとりお一人に合ったオーダーメイドの検査方法をご提案いたします~
- 01苦痛のない「軸保持短縮法」
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少しでもラクに検査を受けていただけるよう、「無送気・軸保持短縮法」という挿入法でカメラを進めていきます。また体型・性別・年齢に合わせて、大腸カメラの入れ方を工夫しています。
「無送気・軸保持短縮法」は、カメラで腸を伸ばさず丁寧にたぐりよせ、腸を短縮させながら進めていきます。腸が無理に伸ばされないため、苦痛がなく優しい挿入法となっております。またカメラから空気を入れない「無送気」で挿入するため、お腹の張りを軽減できます。上記の挿入法をベースに、おひとりお一人に合わせてカメラの入れ方を考え、苦痛がない検査をご提供いたします。
- 02ご希望により眠ったまま検査を受けられます
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患者様のご希望により、胃カメラ検査と同様に少量の鎮静剤(静脈麻酔)にて眠ったまま検査を受けることが可能です。
検査後は目を覚ますためのお薬を使用し、鎮静剤の効果が切れるまでリカバリールームで休憩することが出来ますので、安心してご帰宅出来ます。(鎮静剤を使用した場合、当日の自転車、車、バイクなどの運転はできませんのでご注意ください。)
また鎮静剤を使用しない方でも、安心して検査を受けていただくように検査中に会話をしながら、またポリープがあった場合にはご説明しながら治療を行っていきます。
- 03高性能の内視鏡機器にて、苦痛がない安心な検査を
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大腸内視鏡検査は、検査の痛みがなく正確な診断を行うことが大切です。当院は、患者様に合わせた大腸カメラを取り揃え、最新の内視鏡システムや内視鏡室の照明を導入しております。
高性能の大腸カメラ、内視鏡システム
高性能の大腸カメラである「PCF-H290ZI」、「PCF-PQ260」を導入しており、患者様の症状、また体型・性別・手術歴などにより使い分けております。おひとりお一人に合ったカメラを選択し、検査時の苦痛を最小限にしながら、微小な病変も正確に診断いたします。
内視鏡システムにはオリンパス社最上位機種の「EVIS X1」を取り入れ、クリアで高精細な観察を可能にし、病気の早期発見に努めます。内視鏡システムとはスコープからの画像を鮮明に処理し、様々なモードによって正確な診断をサポートする装置です。
詳しく見る
「PCF-H290ZI」(オリンパス社製)は従来の大腸カメラより外径が細く、ハイビジョン対応の高画質に加え、病変を110倍に拡大ズームすることにより詳細に観察することが可能です。Narrow Band Imaging(微細な血管や粘膜の表面模様を見やすくする技術)を併用することにより、がんはもちろんのこと、切除すべきポリープを正確に診断いたします。
「PCF-PQ260」(オリンパス社製)は超細径・超軟性の大腸カメラで、外径9.2mmと通常の胃カメラより細くなっています。また挿入時に、カメラ自体が腸管に沿って優しく曲がってくれる特徴があります。腸に手術後の癒着がある方、前院で挿入困難であった方、体格が痩せている方などが苦痛なく検査が行えます。
- 04ブルーライト照明を採用した内視鏡室
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内視鏡室にブルーライト照明を取り入れ、青色光の色彩効果にて病変を発見しやすくするだけでなく、患者様へのリラックス効果をもたらします。
最新のトライテラス社製ブルーライト照明であり、23区内で初の導入となります。
- 05お腹の張りを軽減する炭酸ガス送気
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検査によるお腹の張りを軽減するよう、炭酸ガス送気システムを採用しています。
大腸は屈曲し、いくつものひだがある管腔です。精度の高い検査を行うためには、十分な送気(ガスを入れて膨らます)にて腸管を拡張させて、ひだの間までしっかりと観察する必要があります。これは同時に、お腹の張りや痛み、嘔気の原因となります。当院では、腸管内での吸収が早い炭酸ガスを使用することにより、検査中や検査後のお腹の張りや痛みなどの症状を大幅に解消することが出来ます。
- 06日帰り大腸ポリープ切除
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検査中に大腸ポリープを発見した際は、必要に応じてその場で大腸ポリープ切除を行います。
一部の大腸ポリープは、放っておくとがん化してしまうこともあります。切除すべき大腸ポリープをその場で切除することで、再度下剤を飲んで大腸内視鏡検査を受ける必要がなくなります。
- 07感染症に配慮した安心できる内視鏡検査
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大腸内視鏡検査時に使用している処置具は、学会が定めているガイドラインに沿った消毒衛生管理を実施していますので、ご安心して検査を受けていただけます。
ポリープ切除
当院では、大腸内視鏡検査の際にポリープが見つかった場合、検査と同日に日帰りでのポリープ切除術を積極的に行っています。大腸内視鏡検査のみを行い、ポリープがあったとしても切除せずに専門病院へ紹介する施設もありますが、当院では検査と同日のポリープ切除を基本としています。ただ大腸ポリープが大きい、また切除後の出血リスクが高いなどの場合、入院での治療が患者様にとって安全と判断した際には、提携病院などをご紹介する場合がございます。
切除の方法として、10㎜以下の大腸ポリープには、焼灼せずに切除する『コールドポリペクトミー』を積極的に導入しております。この方法は、従来の電気を流して切る方法と比べ、合併症である検査後の出血(遅発性出血)のリスクを大幅に減らします。サイズが大きいポリープには、ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術といった方法を用います。これは通電してポリープを切除する方法ですが、当院では、なるべく通電時間を短くし、切除後に丁寧に傷を縫縮するなど合併症が起きる可能性を最小限にいたしております。
ポリープ切除の流れ
1
- 検査予約
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前日は消化の良い夕食を夜9時までに済ませ、下剤を服用していただきます。当日は朝から腸管洗浄液を服用していただき、検査予約時間15分までにご来院ください。
2
- 検査
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検査時間は20~30分です。お一人おひとりに合った鎮静剤・鎮痛剤の量で検査を行います。検査時に大腸ポリープを認めた場合、その場で切除が可能です。
3
- 検査後
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リカバリールームでお休みいただき、お帰りの前に検査結果をご説明します(組織検査を行った場合は、約2週間後に外来で結果をご説明します)。